株式会社トミーウォーカーが運営するネットゲーム「SilverRain」のPC雪白ハクヤの日記帳。
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 【閑話・二回目のお留守番深夜】


ハクヤの家に良将、骸、碧がとまりにきた日の23時前後。
男女別々に部屋を振り分けて(といってもリビングと和室ぐらいしかねる場所はないのだが)、ハクヤは良将と布団を並べて眠りについていた。




ふと緩やかな漠然とした夢から目が覚めて、薄暗い天井が眼前に広がる。
何度かぱちぱちと瞬かせ、何気なく横で寝ている良将にハクヤは視線を向けた。
もっと寝相が悪いものだと思っていたハクヤは、視線を向けた先の悪友の姿を見て無意識に息をのんだ。





まるで死んでいるようだと一瞬思った。






ハクヤの中で、独りの時に感じる寂しさと不安と焦燥が、好き勝手に入り交じり、その鎌首をもたげる。






オ イ テ イ カ レ ル






普通に寝息を立てているのなら問題はない。
ただ、寝息が聞こえず微動だにしない寝姿に、思わず。


「おい、江間」


声をかけた。
一度声をかけただけでは良将は目を覚まさなかった。
熟睡した相手ではそれも当然のことなのだが、再びハクヤは口を開く。
もう一度、今度は少し声を強めて身体を揺すった。


「江間、」


びくりと動いたような感覚が手に伝わる。
勢いよく見開かれたオレンジ色の瞳はまだ半覚醒状態なのか左右に揺れ、ハクヤを映し認識した瞬間、ゆっくりと息を吐いた。
もう一度反応を確かめるためにハクヤは呟く。


「江間、」
「……びっくりしたァ、」


聞き慣れた声にハクヤは無意識に肩の力を抜くと、ばつが悪そうに頭をかいて布団へ潜り込んだ。
・・・不安になって起こしてしまったなどとても言えるはずがない。



「…何か言ってた? オレ」
「いや、寝息も立てずに寝てたけど」


居たたまれない気分に少し素っ気なく答える。
と呟いた矢先に、起こしといてそれはないだろう、と思ったが、それも良将の次の台詞で消し飛んだ。


「なんで起こすの、それを……あァ、トイレ? 付いてったげよっか?」
「・・・はあ!!?」


自分の心情を一部見透かされたような錯覚に、一瞬反応が遅れ、ハクヤは慌てたように少し声を荒げて良将の布団をげしげしと蹴りつけた。
まったく堪えてない様子に、一言、心配した俺がバカだった、と悪態をつく。
実質心配だったのか自分が不安だっただけなのかハクヤ自身よく分からなかった、わかりたくなかった。
酷く小声で呟いたはずなのに、ハクヤが言い終わる前に良将が布団でハクヤにゴロゴロとぶつかってきた衝撃で思わず悲鳴が口から漏れる。
ニヤニヤとした表情が目に入り、次の瞬間にはハクヤは低く唸り良将に仕返しを敢行していた。
蹴られてけり返し、お互い疲れて飽きたころ、各自の布団へと戻った。
ひとしきり暴れたせいか、ハクヤの頭に睡魔が再び蘇ってくる。

ふと、唐突に、横で天井を見つめる悪友に何か言いたくなった。
押し寄せる睡魔特有のふわふわとした感覚にのっかって、自分でもまとまらない言葉を紡ぐ。


「玖凪もさ、危なっかしいけどよー…」
「---,--」


良将の返答は意識が半分以上沈み書けているハクヤにはよく聞こえない。
寝言のような声色で重たいまぶたを少し開いて続ける。


「お前、自分のことも大事にしろよー、」

「オレはイヤになるぐらい自分の事しか考えてねーよー…」


次は明瞭な返答を認識できた。何故か。
もう、次に目を閉じたらこのまま意識も溶けるだろうという頃合いに漠然とした言葉が浮かび上がる。




・・・本当に?
お前が大事にしている自分って  誰  だ?




思考が回らない。
ハクヤの脳も身体も完全に睡眠モードに移行している。


「いっとく、けど、目に見える傷…とかー…、 それだけじゃねー…から…」


最後に自分が何を言ったのか、言いたかったのか確認する前に、良将の返答が帰ってくる前に、ハクヤの意識は緩やかに寝息と共に溶けていった。
















・・・眠り間際の記憶ほど、曖昧ですぐに霧散してしまうものはない。


目が覚めた次の朝には、世話焼きな良将はいつも通りの笑顔でハクヤの頭をくしゃくしゃなで回し、いつまで撫でてんだよ!と逃げるように頭を左右に振るハクヤ自身も夢うつつで曖昧な記憶は目覚めと同時に徐々に薄れて。
食卓でも、良将達が泊まりに来たという事実に対する気分の高揚もあって、とりあえず言いたいことを言った、というかなりアバウトな記憶になってしまっていた。

食卓でムリに出す話題でもなく、普段と変わらない会話をかわし、良将と骸に作ってもらった朝食をかきこんで、ハクヤは泊まりに来た三人と連れたって学園に足を向けた。





カフェで屈託なく笑う玖凪と、大事な幼なじみの忍の無事をひっそりと願いながら。
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2007⁄11⁄09 20:04 カテゴリー:SS









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プロフィール

雪白ハクヤ

Author:雪白ハクヤ
性別:男
職業:クルースニク×魔剣士
誕生日:11月8日


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